新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保事業

2020年12月9日

新型コロナウイルスワクチンが実用化された際に早期に接種を開始できるよう、必要な体制を事前に着実に整備するための接種体制確保事業が進められている。

厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保に係る留意事項として、次のように示している。主な項目を抜粋して紹介する。

1. 接種対象者について

新型コロナウイルスワクチンの接種は、原則、居住地において接種を行い、接種を受ける日に、住民基本台帳に記録されている者を対象として行う。戸籍又は住民票に記載のない者、その他の住民基本台帳に記録されていないやむを得ない事情があると実施主体が認める者についても、当該者の同意を得た上で、接種を実施する。また、接種対象者に一定の順位付けを行うことを国において検討している1,2)

順位付けについては、第41回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会(2020年11月9日開催)で、検討が行われた。医学的な知見として、新型コロナウイルス感染症の重症化・死亡のリスク因子として年齢と基礎疾患が報告されているが、特に年齢が大きく影響していることから、まず一定の年齢以上の高齢者が接種を受け、一定の年齢未満で基礎疾患を有する者がそれに続く案が検討された(図1)。

また、基礎疾患の範囲や妊婦の接種順位などについても、国内外の科学的知見などを踏まえ、検討が行われる2)

2. 接種対象者への個別通知について

市町村は接種対象者に対し、接種を実施する医療機関等が当該市町村の接種対象者であることを確認できる「接種券」(図2)を発行し、接種の案内とともに対象者に送付することを想定している。また、対象者が医療機関等に持参した接種券については、予診票に貼付することを想定している1,2)

3. 接種実施会場の確保について

接種の実施主体(市町村)は、ワクチンの接種が円滑に行われるように、関係者(医師会、近隣自治体、医療機関、健診機関等)と受託医療機関等の確保について協議を行う。その際、特定の医療機関等に接種希望者が集中しないように、ワクチン等の分配量の調整を行うことや、必要に応じ、医療機関以外の会場(公共施設)等を活用し、接種を行うことも併せて協議する1,2)

また、受託医療機関等に求められる体制を「共通事項」と「ワクチンの特性に応じた事項」の二つに分けて示している。共通事項としては、ワクチンの冷蔵施設・3密対策・接種状況等の定期的な報告を求めている。

新型コロナウイルスワクチンは、冷凍での保管が必要なもの、複数回数分が1バイアルとして供給されるもの、一度に配送される量が多いものなど、通常とは異なる特性が想定されるため、受託医療機関や接種会場ごとの接種可能人数を可能な限り多くすることが必要である。ワクチンの特性に応じた事項として、受託医療機関等の類型を接種可能回数の規模別にⅠ型とⅡ型に分けて示している(1,2)

このほか、居住地以外で接種を受けた場合の費用決済・支払については、関係者の事務負担軽減を測るために、集合契約を締結して代行機関を介して行うことや、円滑なワクチン流通・分配のための卸売販売業者の選定方法、ワクチン分配量の決定の流れなどについても示している1,2)

なお、今後判明する新型コロナウイルスワクチンの特性や供給量等に基づく検討により、変更する可能性もあることに留意が必要であることも記載されている1)

参考文献

  1.  厚生労働省事務連絡: 新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業に係る留意事項について. 2020年10月23日.
  2.  第41回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 資料1. 2020年11月9日.

*これらの情報は上記文献等を参考に加工して作成したものです

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